多忙(ほぼデスマーチ)

この2ヶ月,非常に多忙であった.

研究室を移動し分野を大幅に変更したこと,日本学術振興会特別研究員(DC1)の申請,投稿論文の執筆,これら3つが見事に重なり,デスマーチ(death march)様の状況になった.

今月中にはDCの申請も論文も終えられると思われるので,ようやく一息つけるはずである.

このような状況では,読書もままならず,アニメーションを鑑賞することも難しい.しかし,生活は充実しており,それほどの不満はない.……が,この多忙が長期間続くのは耐えられない.仕事が片付いたら,変則的ではあるが,夏前に一度休暇をとろうと思っている.


電車の中や,空き時間に細々と本を読み進め,何冊か読了した.
たとえば,谷崎潤一郎春琴抄』である.

春琴抄 (新潮文庫)

春琴抄 (新潮文庫)

この本は,柳田聖山『禅と日本文化』の中で触れられており,是非とも読んでおきたいと思ったのである.春琴という,音曲の才をもった女性に終生師事し,しかも,激しく恋慕し続けた佐助の心情が,ある事件を契機に劇的かつ異常な方法で,美しく永久に理想化されるのである.薄い本であるが,密度が高いために読みやすいわけではないけれども,一読に値すると思う.

電撃文庫メグとセロンVII』は,シリーズ最終巻であった.

時雨沢恵一氏のこのシリーズは,『アリソン』『リリアとトレイズ』にはじまり,同じ世界で繰り広げられる物語である.シリーズの最初からずっとフォローしているけれども,毎回非常に楽しませてもらっている.
あとがきで述べられているが,著者は,この世界観でもう一作書きたいようで,一連のシリーズに登場したキャラクターがすべて出演するオールスター作品を企画しているとのことである.これも非常に楽しみにしている.