多忙(ほぼデスマーチ)
この2ヶ月,非常に多忙であった.
研究室を移動し分野を大幅に変更したこと,日本学術振興会特別研究員(DC1)の申請,投稿論文の執筆,これら3つが見事に重なり,デスマーチ(death march)様の状況になった.
今月中にはDCの申請も論文も終えられると思われるので,ようやく一息つけるはずである.
このような状況では,読書もままならず,アニメーションを鑑賞することも難しい.しかし,生活は充実しており,それほどの不満はない.……が,この多忙が長期間続くのは耐えられない.仕事が片付いたら,変則的ではあるが,夏前に一度休暇をとろうと思っている.
電車の中や,空き時間に細々と本を読み進め,何冊か読了した.
たとえば,谷崎潤一郎『春琴抄』である.
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/02/02
- メディア: 文庫
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この本は,柳田聖山『禅と日本文化』の中で触れられており,是非とも読んでおきたいと思ったのである.春琴という,音曲の才をもった女性に終生師事し,しかも,激しく恋慕し続けた佐助の心情が,ある事件を契機に劇的かつ異常な方法で,美しく永久に理想化されるのである.薄い本であるが,密度が高いために読みやすいわけではないけれども,一読に値すると思う.
- 作者: 時雨沢恵一,黒星紅白
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 文庫
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時雨沢恵一氏のこのシリーズは,『アリソン』『リリアとトレイズ』にはじまり,同じ世界で繰り広げられる物語である.シリーズの最初からずっとフォローしているけれども,毎回非常に楽しませてもらっている.
あとがきで述べられているが,著者は,この世界観でもう一作書きたいようで,一連のシリーズに登場したキャラクターがすべて出演するオールスター作品を企画しているとのことである.これも非常に楽しみにしている.