ペダルのおと

SokolovのProkofiev Piano Sonata No.7-3が素晴らしいと何度か書いた.

これを何度も聴くと,終盤の猛烈な主題展開部において,ペダル遣いがよく分かるほどにペダルの動作音が聞こえる.

しかも,濃縮された圧となっている.

非常に残念ながら,電子ピアノでは,この音圧を表現することができない.言うまでも無く,電子ピアノには,ペダルの機械的装備があるわけではないからである.

ペダルを踏むと,くぐもった柔らかい音が響く.ペダルが動作する音である.鍵盤を触らず,ペダルを踏むと良く分かる.

普通,このペダル音は,雑音扱いとなるので,出来るだけ音を出さないように演奏するのではなかろうか.

しかるに,ProkofievのPiano Sonata 7-3の場合,猛烈なコーダにはペダルの動作音がよく合う.ペダルを踏み換えるごとに,ピアノの内部から圧力を伴って聴衆に届く.