大日本サムライガール4

大日本サムライガール 4 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 4 (星海社FICTIONS)

このシリーズもとうとう第4巻に突入した.

「真正なる右翼は,日本に私ただ一人である!」

このインパクトあるフレーズで始まったこのシリーズは,会社経営,マーケティング,情報産業,金融など,現実社会の政治経済要素を詰め込み,なおかつ小説としてのおもしろさも併せ持った快作と思われる.
著者の至道流星氏は,会社経営者ということであるが,本業の傍らに執筆しているのにもかかわらず,著書の刊行ペースが驚異的な速さである.一体どうしているのかと思って氏のブログを拝見すると,どうやら,仕事の合間など,細切れの時間に執筆し,一日トータルで数時間もの時間を確保しているらしい.まるで,受験生の時間活用術のようではないか.

本シリーズからは,ビジネスのトップエリートの働き方といったものが匂い立っている.おそらく,至道流星氏自身がビジネスの最前線に立っているからであると思われるが,この雰囲気が私にとっては刺激的で,読後の爽快感がやみつきになる.主人公側に都合の良い展開が多いし,そんなにうまくいくわけ無かろうと思う点もあるものの,それはフィクションとしての面白みといってよいのではないか.私は,こういうビジネスのトップエリートが醸すクリエイティヴな雰囲気が好きである.成毛眞氏が言うところのクリエイティヴ・クラス(自分の頭で考えて行動できる人)である.
学術研究職もまた,多分にクリエイティヴな能力を要求されるから,やはり私としても親しみを感じやすいのだろう.もっとも,インセンティヴという点では,学術研究職はビジネス分野に大いに後塵を拝するが.

以前読んだ氏の作品『雅の婚カツ戦争』もまた,主人公たちがビジネスのトップエリートである.大手銀行の社員が独立して結婚相談所を立ち上げるところから物語はスタートする.

雅の婚カツ戦争 (幻狼ファンタジアノベルス)

雅の婚カツ戦争 (幻狼ファンタジアノベルス)

この作品からも,クリエイティヴ・クラスの人間がどんな思考をし,どんな方策をとるかが感じられるのではないだろうか.もっとも,すべてフィクションの可能性があるけれども.

Very fortunately, the paper was accepted, in which I participated as a co-first author. Je suis très content!