未曾有の大地震

11日に発生した東北関東大地震による被害は,テレビ等の報道にあるように,甚大なものになっている.

私は,地震発生時,秋田の実家にいたのであるが,震度5の強い揺れに遭遇した.幸い,家屋に物理的被害はなく,また,家族も全員無事であった.
しかしながら,地震の直後に停電に見舞われ,同時に断水した.

3月の東北地方は,依然として気温が低く,雪も降る.停電の影響で,電気を使用する暖房器具は使用できなくなった.余震が断続的に発生したため,石油を用いる暖房器具の使用も躊躇せざるを得なくなった.

照明器具も使用不可で,蝋燭に火をともし,不安な夜を過ごした.余震が来るたび,蝋燭の火を消して屋外へ避難することを繰り返した.肉体的,精神的疲労が蓄積した.それでも,余震の恐怖により,ゆっくりと就寝できず,ラジオを聞きながら一夜を明かした.

地震発生から30時間ほど経過し,ようやく停電・断水から復旧した.
テレビ,インターネットの使用が可能になり,被災地の情報を入手した.その惨状には,ただ驚嘆するばかりである.

秋田は日本海側であるので,津波の害を被った太平洋側の宮城,岩手,福島に比較して,被害は軽かったようである.それでも,全県に渡って停電・断水が続き,工場等の操業には著しい支障をきたした.

交通の障害により,物資の運搬に問題が生じている.
停電から復旧し,店舗の営業も再開されているようであるが,食料が少なくなっている.特に,生鮮食品の入手が難しいようである.
今後どのように推移するか,不安である.

私は,東京に戻らねばならぬが,公共交通機関は運休し,手段がない.
しばらくは実家に滞在せねばならないようである.

甚大な被害を及ぼした今回の大震災について,人々の無事と復興を祈念する.