読書記録<俺の妹がこんなに可愛いわけがない9>

昔から,本を読むのは好きであった.
読んだままではもったいないと云うので,読書の記録をブログ上で行うことにする.

できるだけ最近読んだ本について書く.

今日は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない9』である.
このシリーズは,発売当初から読んでいる.

妹という,サブカルチャーでは使い尽くされた記号を使っているにもかかわらず,新鮮な読後感を与える本作品はやはり存在感がある.
妹という記号は,あまりにも兄(=読者の投影)の視点にとって都合が良すぎることが多い.兄に従順すぎたり,兄にやさしすぎる.読者を楽しませるには,この設定もやむなしであるが,現実からは甚だしい乖離がある.

本シリーズでは,はじめ,妹と兄の間には不和がある.妹である桐乃は,兄にやさしくないし,従順でもない.この点は,現実世界での妹の有り様に近いのではないかと推測するが,しかし,私は妹がいないのでその実際は分からない(もちろん,いたとしても,それは個別事象であって,一般的性質を帯びた普遍的体験でもなかろうが).

物語が進むにつれて,兄妹の関係は修復されていく.妹は素直ではないにせよ,次第に兄に対して信頼を寄せ,韜晦していた好意(もちろん肉親としてのだろうけれども)をわずかながらも示すようになる.

アニメ化もされた作品である.
第2期の制作があるかどうかは知らないが,是非作ってほしい.