読書記録<ストライク・ザ・ブラッド>

ストライク・ザ・ブラッド (1) 聖者の右腕 (電撃文庫)

ストライク・ザ・ブラッド (1) 聖者の右腕 (電撃文庫)

作者の三雲岳斗氏は,現在放送中のアニメ『ダンタリアンの書架』の原作者である.本書は,久しぶりの新シリーズらしい.

三雲先生の作品『少女ノイズ』『ダンタリアンの書架』は読んだことがある.

本書は,所謂吸血鬼ものである.吸血鬼という材料は,至る所で取り上げられているために,いささか食傷気味な感も否めない.
とはいえ,そのあまりに人口に膾炙しすぎた材料を,巧みに料理するのが,プロの作家の仕事ではないか.

本書は,力量のある作者が手がけただけに,設定はしっかりと練り込まれているようであるし,物語も堅固にできているだろう.しかるに,題材に目新しさがないためか,どうしても新鮮な読後感を欠く.いわば,普段から食べ慣れている,味に定評のある家庭料理といったところだろうか.

吸血鬼を題材とした作品で,私が触れたことのあるものは次のものが挙げられる.

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 1巻

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 1巻

BLOOD ALONE 1 (電撃コミックス)

BLOOD ALONE 1 (電撃コミックス)

ロザリオとバンパイア 1 (ジャンプコミックス)

ロザリオとバンパイア 1 (ジャンプコミックス)

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

『ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンド』は,アニメ化された作品.
BLOOD ALONE』は,非常に静謐な雰囲気の作品である.吸血鬼に関する設定が詳しく,正統な吸血鬼作品であろう.
屍鬼』は小野不由美原作の小説.アニメ化された.私はアニメしか見ていないが,論理による作品構築が実に巧みな良作.
ロザリオとバンパイア』は,漫画作品で,アニメ化されている.
傷物語』は西尾維新の作品.キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのキャラクター構築がまさしく神業.既存の吸血鬼作品の中でも群を抜く完成度であると思う.2011年9月末には,キスショットのなれの果て忍野忍を扱った『鬼物語』が発売予定である.