読書記録＜人のセックスを笑うな＞

山崎ナオコーラ著，第41回文藝賞受賞作．
ペンネームにインパクトがある作家．

内容としては，美術専門学校に通う青年が，既婚の年上講師と不倫関係になるという，いささか陳腐なものである．

全体的に無駄がなく，すっきりした印象を持つ．描写がクリアである．

読者にもよるだろうけれど，読後感は軽い．裏を返せば，何も残らない．

純文学の作品を手に取ることは少ないが，これからは集中的に最近の純文学を追ってみようと思う．エンターテインメント作品とは違って，読者を楽しませるというよりは，文章の美しさに重きがあるために，もしかしたら退屈なのかもしれない．