読書記録<公園>

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第43回文藝賞受賞作.

主人公は,何事にも熱中できず,距離をおいて考え,結局面倒だと思ってしまう大学生.波瀾万丈な人生を送ってきたタクシー運転手のおばちゃん,練炭自殺する男たち,ニューヨークで出会う弁護士のジョージ,ボストンから来たアマンダ,様々な人との出会いがある.友人オノサとともに,東京,下田,ニューヨークを彷徨い歩く.

おもしろいエピソードが連なっている作品.著者は映像作品も手がけているらしく,文章も映画の脚本のような雰囲気がある.場面転換が早く,個々のエピソードにも脈絡が欠けている.小説らしからぬ構成である.この作品は,映像化したときにその真価を発揮しそうである.